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にげみち。

「ichiei」の雑文置き場。最近、短歌に凝ってます。

2013/10/08 一首と一句 

わが家の少年詩人午前四時のひぐらしをききてふたたび眠る/木俣修『去年今年』
【家】のロゴは【いへ】。わかりやすい歌だそして浪漫がある。「ふたたび眠る」ということはいままで眠っていたというわけで、そこから「少年詩人」の不調がみえる。実際、これは亡くなった長男を歌ったものだった……よね?(曖昧) 「少年詩人」という表現もちょっと甘い気もするけど、だが、端々からうかがえる愛情をおもうと受け入れられる。



目に見えぬ塵を掃きたる寒露かな(手塚美佐)
「目に見えぬ塵」は解釈のしがいのある言葉ですな。空気中の微粒子まで寄せるようにさっさっと手際よく箒を動かしているとみてもいいし、表面的な汚れをのぞくことで精神的な鬱屈を取り払おうとしている、と考えてもいいし。他にもありそう。ただ何故季節は「寒露」なのか、が、問題だ。露が凍りそうになる季節。目に見えぬものですらわずかに固体となる瞬間があるのかもしれない。冬のまっただなかの雪のようにあからさまでもなく。
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