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三角ロケット屋敷の蔓草みたいな螺旋階段を三分の五だけのぼったところにある樫のドアを、キツツキ流儀でノックしたあとずっと推すと、月世界の裏側!にしかみえない、でこぼこの大地へ出る。涙の余地もないほどかわききったところでたくさんのユキヤナギが育っているが、湿り気のないのにたいへん苦労して、無重力に枝葉をなびかせながら、シャンパン、シャンパン、と、枯渇をうったえる。
「そりゃキミ、失敗したんだ。ユキヤナギがシャンパンをほしがるなんて。やつらをしつけるなら、沫雪にかぎる」
私はいつか彼らにムーンシャワーという名のとっておきの発泡をもっていってやろうと思っているが、他のドアのむこうのはワインだったりビールだったりで、シャンパンをねだるのはそこだけだから、なにかをかんちがいしてやしないかと心密かにおそれている。
うーん。ちと、失敗。まとまりきらなかった。